画像引用:中学聖日記公式サイト
内に秘めてた新たな一面
2015年7月。
聖、黒岩、勝太郎、愛子(黒岩の母親)、一周して再び聖。この順番で各キャラクターの表情が映し出される。そしていつもどおり、黒岩からの手紙を読む聖の声がナレーションとして挿入。
「僕はうれしくて、先生に優しくできたことが。でも、こんなことになるなんて」
黒岩、聖、勝太郎、愛子(黒岩の母親)の表情、手紙の内容から読み取るに、かなりの緊張感が漂っている。そして、このキャラクターの組み合わせから、何となく修羅場であることは誰もが容易に想像できたことでしょう。
この冒頭のシーンは第4話のラストシーンにあたります。そして場面は一転し、3話の終盤に戻る。友近さん演じる千鶴に「もうこれ以上はありません」と、聖が宣言した場面ですね。
1話の頃からいつも明るい聖の先輩であり友達でもある千鶴が、初めて真面目な顔で聖に説教する印象的なシーンでした。
そんな感じで、何やらシリアスな雰囲気から始まった第4話ですが、自然と千鶴と聖の会話は明るいテンポに変わり、BGMもポップに。これが、第4話の物語が冒頭にあったラストの修羅場シーンに向けて走り出した合図となります。『中学聖日記』の演出の巧みさが垣間見れました。
また、最近の印象として、話が進むにつれて各キャラクターがこれまで見せてこなかった一面が徐々に浮き彫りになってきましたね。
第4話でいうと
まず黒岩。男らしくなりました。
勝太郎。聖への疑惑が確信に変わった瞬間。これまでは“気づかないフリ”をしていた勝太郎も、今回だけはさすがに表情に出てました。ショックだっただろーなー。
律。バリバリのキャリアマンで頼れる上司から、仕事と同様、恋愛においても狙った獲物は逃さない完全肉食系女子な一面を見せてきました。
聖。完全に女の顔になってました。黒岩の前で。教師としてあるまじき純愛ですね。
最後に愛子(黒岩の母親)。びっくらこいてました。あんなにびっくりした表情の愛子は初めてですね。新たな一面でした。
特になにも起こらなかった序盤・中盤
第4話の最初から最後まで、ラスト10分間を除いては、特にこれといったことが起こりませんでしたね。まぁ、黒岩が聖の携帯番号を入手して「花火大会の後、〇〇神社に来てください」的なメールを送りますが聖はガン無視。3話の終盤で「これ以上はありません」と、きっぱり宣言した聖はしっかりと行動で示します。
聖は完全に、黒岩への気持ちに蓋をしました。そして、勝太郎とテレビ電話で来年に控える挙式について話します。その時の聖の顔は「自分は社会のルールの中で生きてるんだ」と言い聞かせているようでもありました。
ちょこちょこと物語は展開しつつも、これまでのことを考えると特に何も揺さぶられないストーリー展開。4話でとうとう失速してきたかと疑いましたが、やはりそこは『中学聖日記』。この「序盤・中盤」と「終盤」の起伏が激しいことで、ラスト10分がより引き立っていました。途中までの淡々とした感じは完全に意図されたものでした。(たぶん)
決して美化されてないラスト10分
結局、黒岩は岩崎るなと、聖は見回りとして学校の教員たちと、勝太郎は色々あって花火大会に参加。
ここまでは教師としての行動を心がけてた聖でしたが、黒岩と岩崎が抱き合う場面を目撃し完全に取り乱す。そんなタイミングで律に遭遇し、軽く発破をかけられます。婚約してたって別の男すきになってええやんってな具合に。
花火も終わり、見回りを終えた聖は他の教員たちとバスで帰ろうとしますが、出発して早々、聖はバスを降りて黒岩のもとへ向かいます。3話ラストの千鶴のセリフを思い出しますね。
「誰かを好きだって思いは消せない」
この第4話で、聖は黒岩への思いを消そうと努力してましたが、やっぱり消せませんでした。聖と黒岩は運よく海岸で落ち合います。そして、なんだかんだ言いあいした結果、黒岩が聖にキスして抱きつき、聖もそれを受け入れます。
教師と中学生という組み合わせとはいえ、恋愛ドラマっぽかったこの海岸シーン。ですが、次のシーンでちゃんと、視聴者をもとの世界へと引きずり戻してくれます。タクシーのシーンです。
2人はタクシーで聖の家へ向かいます。その社内、黒岩が聖の手を握り2には見つめ合うのですが、ここであの魚眼レンズを使用してきました。『中学聖日記』では色んなところで多用されてる、全体的に丸みを帯びたような映りをするあのレンズです。
魚眼レンズを使うことで得られる効果といえば、異様さであると思います。中心から外側に掛けて線が大きく歪み特殊な映り方をするので、そこにある世界が現実から切り離されたような異様な世界観を作り出します。
聖と黒岩のタクシーシーンでこの魚眼レンズを使うことで、2人の関係の異様さが表現されてたように感じます。車内の2人には、何か重大な事件を起こした後の犯人のような雰囲気がありました。
ここで魚眼レンズを使うあたり、このドラマは決して「女教師と中学生の恋愛」を肯定しているわけではない。世間一般的に異様なものとして捉えられるこの関係性を捻じ曲げて“儚く美しく “描こうとするのではなく、そうした事実を真正面から受け止め、そうした中で聖と黒岩は次にどんなアクションを起こすのかを描く、、、
初めはただの「教師と中学生の恋愛ドラマ」と思っていた。しかし、今は「教師と中学生の恋愛をテーマにした社会派ドラマ」のように見えてきた。
そう考えるとこのドラマは全然気持ち悪くないですよね。。。
さいごに
設定とか内容は別として、やっぱり映像のクオリティが高いなと思わされる4話でした。次回5話ではどのような展開が待っているのでしょうか。聖の教員免許の行方は!?
-こちらが原作-
今回は以上です。
最後まで有難うございました。
1話~3話の感想はこちら。
今回は以上です。
最後まで有難うございました。
1話~3話の感想はこちら。